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国語が変わる 答えは「探す」から「創る」へ わが子の学力を伸ばす方法
国語が変わる 答えは「探す」から「創る」へ わが子の学力を伸ばす方法
 

出口先生は「他者意識こそ重要」と言います。小さい子どもは単語を羅列することにより意思を伝えますよね。結婚生活が長くなると「めし・ふろ・ねる」の3語しか言わない夫が多いという話も聞きます。親しい友人には省略型の言い方になりますね。狭い空間、親密な関係の中ではこれで十分通じるのです。性格や行動パターン、好き嫌いなどよくわかっているからです。つまり「他者意識のない関係」だからです。
 しかし、自分のことを知らない人(他者)に意見や希望を伝える場合には、そうはいきません。伝えたいことを明確に客観的な理由とともにわかりやすく表現しなくてはいけません。論理的な表現を用いなければならないのです。
「これ買って」と泣いてせがむばかりだった子どもが、次第に「みんなが持っているから」とか「とても便利だって評判だよ」、「これを使うと成績が上がるかもしれない」などと周囲を説得しようとします。理由や期待を述べ、自分の要求を通そうとします。これも一つの「他者意識の表れ」なのでしょう。

では、どうしたら他者に向けた論理的な文章が書けるでしょうか。ちょっとだけ「出口式」をご紹介します。難しいことは何もありません。
◎一文は、要点となる主語・述語、目的語と、それらを飾る言葉(補完する)からできていることを意識する。
◎以下の3つの論理的関係をマスターする。
(1)イコールの関係:主張(要点)=具体的な説明
(2)対立関係(対比):自分の主張と対立するものを持ってきて主張を鮮明にする。
(3)因果関係:原因・結果を示し、結論を導く。
 これらのことを理解しているだけで、文章を的確に理解することも、見知らぬ人に言いたいことを理解してもらえる文章を書くこともできるようになるのです。詳しくは本書で。


【こんな方におススメです】

  • ・教育関係者
  • ・幼児や小・中学生の保護者
  • ・教育に関心のあるすべての人

【本書の内容】


  • 第1章 新しい国語
  • 第2章 新しい国語の教科書
  • 第3章 新しい論理的思考
  • 第4章 幼児から小学校で学ばせる国語
  • 第5章 時代はクリティカルな思考へ
  • 第6章 メディア・リテラシー
  • 第7章 ロジカル・ライティング
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「編集者のつぶやき」

編集担当 瀬木憲一

本書は、私にとっては「警告」ではないかと思いました。というのは、私たちが書く文章が、いかに主観と思い込みに満ちたものであり、事実と意見を混同したものであるということを、鋭く指摘されたと思ったのです。
「Aさんはこう言っている。Bさんはこう言っている。Cさんもこう言っている。だからこの件はこう結論づけられる」と言われると納得してしまいます。また、私たちもよくそんな話し方や書き方をします。ですが、よく考えてみると、この話で事実なのは「AさんとBさんとCさんが言った」ということであって、それぞれの人の話の内容は事実かどうかわからないのです。
さらに、意図を持って意見や主観を事実であるように表現していることを、つまりウソを見抜く力を持つことが重要だというメッセージも感じました。
①「男子テニスの決勝戦には誰もが興奮した」
②「四季の恩恵いっぱいの日本は世界中で最もすばらしい」
この文章には、主観や意見が述べられているだけです。事実かどうかはわかりません。でも共感したり満足感を味わったりします。心に響く表現として大切だと思います。 
ただし、次の文には要注意です。
③「美しいプロポーションに変身。たった2週間のエクササイズで十分」
もしかしたらそういう結果が得られることがあるかもしれない、という淡い期待かもしれません。あるいは単なるウソかもしれません。

本書は、子どもの教育に関わる人を主な対象として書かれたものですが、21世紀という時代を思う存分に駆け抜けてみたいと考える、すべての人に読んでいただきたい本だと感じている私です。