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「最強の記憶術」
smart.fmのいま セレゴ・ジャパン誕生秘話 smart.fmの未来像
smart学習はゲーム感覚
出口  今、「コンピュータが記憶を管理」とおっしゃいましたけれども、実際やってみたら、「ちょうど忘れかけたな」と思う頃に、上手くそのアイテムが出てくるので、何かやられたなあっていう感覚、答えられたなら「やっつけてやったぞ!」みたいな面白さを感じましたね。コンピュータの計算と、こちらの思いが、お互いにやりあっているような楽しさもあったんですよ。
Eric  そうですね。そのような“ゲーム感覚”について言えば、ゲームの面白さとは、自分の実力レベルに合っているかどうかが大きいと思うんです。
  例えば、モンスターを退治するゲームならば、開始後すぐに主人公が殺されたら、悔しくて止めてしまいますよね。でも逆に、こちらが化物をあっという間に全部殺せたとしても、つまらないじゃないですか。飽きますよね。そのバランスが大切なんです。頑張ってストラグル(格闘)して、殺されないように化物を殺す、これがゲームの基本じゃないですか。
  Smart.fmは、ゲームを狙っているわけではありませんが、知っているかもしれない、頭の片隅にあるのだけど、まだ弱くて引っ張り出せない記憶とのやり取りがゲームに似ています。なので、ユーザーが続けてくれているのだと思います。
出口  その喩えはすごく面白いですね。実際やってみたら、こちらが圧倒的に強いわけでもなければ、向こうが圧倒的に強いわけでもない。もうちょっとで殺せるけど殺せない、みたいな感じが確かにありますよね。
単語学習のつもりがオールラウンドの力に
出口   Smart.fmのコンテンツには、単語だけじゃなくて例文が必ずついていますよね。それらにはネイティブの音声がついているし、スペルを書き込む出題もある。単に単語の意味を覚えるだけではなく、例文も一緒に頭に入れることで英作文にも役立つし、音声を聞くことでヒアリングの勉強にもなる。つまり、オールラウンドの英語力をつけるものになっている気がします。
 その辺りは狙ってやったのですか?それとも、単に記憶のために作ったのが結果としていろいろなことができるようになったのでしょうか?
Andrew  単語だけを覚えても、使い方がわからないようでは困りますよね。選択クイズで意味を覚えてるか確認したり、例文の穴埋め問題に挑戦したり、いろいろなアングルで記憶のレベルを計っているのです。そして、忘れたころに復習クイズをすることで、記憶が強くなるんです。だから、使える知識として記憶に定着をさせるため、そして、英語のスキルアップを図るための学習です。
出口  特に、覚えたはずの単語のスペルを入力する問題は、やっている方は辛いですね(笑)。かなり集中してやらなければならなくなる。ただ選択肢を選ぶだけの出題とは違って、そういう出題があると、緊張感を持たざるを得ないですよね。
Eric   そうですね、記憶強度にもいろいろありますから。ある意味、脳の記憶の強さというのは、筋肉の強さに似ているところがあります。例えばベンチプレス。悠々と上がるのと、苦労して上がるのと、一回だけ上げられるのと、いろいろありますよね。
  「昨日は上げられたベンチプレスが、今日は上げられなかった。なぜなら風邪を引いていたから」というのと同じで、人間、その時の一個のデータだけでは、本当の記憶強度はわからないと思うのです。そのため、Smart.fmでは、いろいろな角度からチェックしています。
 あと、「この5つの中で答えはこれだ」というように、選択肢を選ぶのが上手な人もいます。選択肢問題は、答えを入力する問題、本当の英語力とはまた違いますよね。
 なので、いろんな角度から見ています。今日、ある人の記憶強度が強かったとしても、アイテムを昨日覚えた人と、一ヶ月前に覚えたのにまだ記憶強度が強い人とはまた全然違うからです。そういう部分の細かい計算は、やっぱりコンピュータが強いですね。
出口  単語を覚えているかいろいろな角度から試すことにより、単語の意味だけでなく、ヒアリング力が伸びたり、あるいは文の構造や用例がわかって英作文に役立ったりと、オールラウンドな英語力が身につくようになる。単に英単語を覚えようと思ってやったのに、それ以上のお土産がいっぱいもらえるんですね。
脳科学から見た効果的な記憶法
出口  Smart.fmの背景には、学習する際、単語一個を完璧に覚えようとするより、とにかく、最初はぼんやりとでもいいから何度も見たり、聞いたり、タイピングをしたりすることで情報を脳にインプットして、それを最適なタイミングで繰り返すのが効果的だという、記憶に関する脳科学の考え方がありますよね。
Eric  ありますね。もちろん中には、これをマスターしないと絶対に進みたくないという人もいます。「今日もこれを学習した、昨日もこれを学習した、一昨日もこれを学習した、明日もこれを学習するぜー」という感じで(笑)。でも、脳の中で何が起きているかと言うと、そのような勉強法がもたらすのは、短期記憶の部位でアイテムを印象付けるだけにすぎないのです。
 もちろん、記憶のメカニズムから考えると、長期にわたって少しずつ覚えた方がやっぱり長期記憶につながりやすい。だからこそ、みなさんは学習エンジンが提示する最適な学習スケジュールに身を任せて学習を進めればいいわけです。これは、実際に経験するとわかって頂けると思います。
出口  英単語をaから順番に必死で覚えて、覚えたページはそれを破って食べていく。僕の学生時代にそういう勉強法が流行ったことがあるのですが、それは科学的に言うとナンセンスだということですよね。完璧に一個一個覚えるより、良いタイミングで繰り返した方が覚えられる。
Eric  人間、やっぱり自然には逆らわない方がいいですね。薬でも人生でもそうですよね。勉強も同じだと思います。脳のメカニズムを活用せずに勉強するより、今学習すべきものをその時に学習をするのが望ましいのです。ですから、コンピュータが、「あなたはこれをもう一度見る必要があります」って判断した時に、素直にその情報と接触することが一番良い結果につながると思います。
出口  コンピュータとケンカしないということですか。
Eric  ケンカしない方が良いですね。  
出口  脳科学が発達した結果、いろいろな学習法が言われていますが、コンピュータが全て管理してくれるのは、Smart.fmだけではないでしょうか。自分が覚えたいものを、きちんとコンピュータが管理して、スケジュールまで立ててくれる。
 僕は、人間のやる気はあまり信用できないと思っています。例えば講義なんかで、「これは絶対出るから覚えておきなさい、これは凄いぞ」って言ったら、その場ではみんな「あっ、これ覚えよう」と、思ってくれる。ところが、実際に覚えているかといえば、すぐに忘れてしまって、実際には1割の人くらいしか覚えていない。
 Smart.fmならば、ある期日までに確実に覚えられるように、スケジュール管理までしてもらえる。生涯にわたってその記憶を管理してくれる部分もあるのですね。いろいろな意味で、本当に画期的な学習サービスだと思います。
 あと、例文に対応して必ず画像がありますね。意味にマッチした写真やイラストを一個一個の単語に対して付加していくのは、大変な労力とお金がかかったと思うのですが、この辺のこだわりについて聞かせてください。
Eric  統計学に基づいて分析すると、英語での日常会話に出てくる表現の98%は1万語彙と、そのフレーズから成るのです。コンテンツとしてはそんなに多くないので、例文と例文に合う画像、そしてネイティブの音声を使った、リッチなマルチメディアコンテンツを作ることにしました。