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1分間勉強考
ふたりの出会い~『1分間勉強法』誕生秘話 『1分間勉強法』の成功を論理的に考える 第三部 『1分間勉強法』の今後
ふたりの出会い~『1分間勉強法』誕生秘話
“いろいろな偶然がふたりの出会いに結びつく
出口  石井さんとの出会いから話そうと思うんですけど……。
石井  よろしくお願いします。
出口  僕がうちの会社(水王舎)に行く時、石井さんに偶然ばったり声をかけられたのがきっかけでしたね。
石井  そうですね。僕は受験時代、出口先生の講義を生で聞いていたことがありまして。浪人時代に代々木ゼミ ナールの一番大きな教室で……。
出口  懐かしい。
石井  それで、先生のことはよく存じ上げていたのですが、あの日はたまたま、とあるラウンジでお茶をしていたら、お忙しそうに電話をされている先生の姿が見えたので、これは電話が終わった時がチャンスだと思って、そこで「出口先生……」って、声をかけさせていただいたんですよ。
出口  本当に不思議な出会いですね。(石井さんが受講していた)当時は、基本的に西日本が僕の拠点で、代ゼミでは、代々木校に週1回しか行かなくて。で、1日で4つ講義をやって、うち2つは衛星放送の講義だったから、たくさんある中で生の授業は、たった2つしかなかったんですよ。
石井  確か、午前中だったと思うんですけど……。
出口  そうそう。しかも、生で授業をやっているのは確か2年くらいだけで、その後、東進ハイスクールに移籍してからはもう生ではなく、生徒のいないところで講義をやっている状況なので、東京で生講義を受けてもらえたとは貴重ですね。
石井  はい。その貴重にさらに付け加えますと、僕は高校3年生の時に偏差値が70はありまして、もうどこも合格率が80%以上で、慶應模試でも全国1位をとっていたんですけど、勝負弱くて本番では全部落ちたんですよ。それで、浪人して代ゼミに行った時に先生にお会いしたのですから、僕がもし勝負強い性格だったら、先生にお会いできていなかったと思います。だから、「浪人して失敗したからこそ」っていうのは、すごくあると思いますね。
出口  なるほど。生で見ていたから、偶然にパッと僕の顔を見てわかったんですね。
石井  そうです。そうじゃなかったら多分わからなかったと思います。
出口  僕も声をかけられた時は、正直言って、あんまり、あの……。
石井  僕のことを知らなかったんですよね?
出口  知らなかった。
石井  ひどいです。(笑)
出口  ほら、教え子から声かけられることも多いんで……(苦笑)。で、たまたまその時、水王舎で英単語の本を出そうとしていて、石井さんに会った後に会社に行って、英単語担当の女性編集者に「こんな人と会ったよ」って言ったら、ちょうど彼女がその本(『1分間英単語1600』中経出版)を一生懸命読んで研究しているところで、「じゃあ、石井さんにちょっと話してみようか」っていうのがはじまりというか。本当に偶然が重なって、結果的に水王舎で『1分間世界史』『1分間日本史』と、『1分間高校受験英単語』を出版することになったんですよね。
石井  そうですね。出会いをさらに振り返ると、僕が文章を書けるようになったのは、出口先生の授業を受けていたからということがありまして。自分が作家としてデビューして、ビジネス書でナンバーワンになるのがずっと夢で、しかも出口先生もビジネス書を出されていたので、自分を教えて頂いた先生や先生以外にもいろいろな作家のかたがたを、若輩者ですけど、僕は勝手にライバル視するわけですよ。で、出口先生に教わって先生を越えたぞ、くらいの勢いでビジネス書売上げ年間ランキング1位を取ったのに、出口先生は僕のことを知らなかったんですね……。
出口  『1分間勉強法(中経出版)』の名前は知っていましたけれど、著者の名前は正直言ってねぇ(苦笑)。
石井  あぁ、顔写真は出していなかったですねぇ(笑)。
『1分間勉強法』誕生のきっかけは受験時代
出口  ところで、『1分間勉強法』に話は移りますが、原点はやはり、受験時代の勉強法ですか?
石井  そうです。『1分間勉強法』は、僕の受験時代がベースです。もともと小学校の時は全然勉強ができなくて、中学に入って勉強を始めたんですけど、その時はもう、とにかく物量作戦というか、「人より努力をすれば成績は上がる」という信念のもとで、何も特別なメソッドも使わなくて。高校受験も結局、第一志望でない進学校にしか受からなくて、そこでも落ちこぼれて「このままじゃダメだ」と。
 そうしたら、高校2年の4月に、ある予備校の英語の先生とたまたま出会いまして。その先生が授業の時に「みんな、単語は書いて覚えなきゃと思っているでしょ。書いて覚える人、手を挙げてください」と言うと、全員の手が挙がるわけですよ。「じゃあ、目で見て覚える人?」って言ったらひとりも手が挙がらない。「じゃあ、目で見て覚える訓練を3か月以上したことがある人?」って言っても誰も手が挙がらない。「英単語は1単語1秒で見て覚えろ! 書いて覚えてはいけない! 1単語1秒を何回も繰り返せ!」ということを「みんなやっていないだけ。これをマスターしたら、受験は無敵だから」という話を聞いたのです。
 それで、本当に信じてやってみようと思って、1単語1秒で、目で見て覚える訓練を3か月間したら、本当に偏差値が30から70になりました。で、英熟語も同じように覚えて、世界史もやったことがないから、同じようなやり方で、偏差値が3か月くらいで30から70になりまして……という流れです。
出口  その、「目で見て覚える」っていうのと、「手で書いて覚える」のとは、どこに違いがありますか?
石井   例えば「society、社会」と手で書いて覚えると、1単語で6~10秒時間がかかります。でも、「society、社会」を目で見るだけなら1秒です。
出口  なるほど。それは非常に科学的な根拠があると思うので、後でじっくりと話しましょう。